11:趣味を副業にしてネットで売るべく商品化する

仮に自分が提供するものをキャリアコーチング的なものだとしたら、そのサービスを必要とする人達の顔が浮かんできた。

それは、過去の自分であるとともに、過去の自分と同じような境遇にいて、同じような悩みを持っているであろう、自分の周囲に実際にいる人達だ。その人たちのことを思い浮かべれば、自然と自分が提供すべき商品の輪郭が見えてくる。

まずはその人たちの悩みを列挙した。その悩みを解決できるような考え方を自分なりに改めて構築して、講座のような形でその人たちに教えるとしたこうかな、という中身を考えた。もともとその解決策にあたるものは、自分の日頃の生活の中で見出しているので、自分の思考の整理のようで楽しかったのに加え、そこまで苦となる作業でもなかった。

その講座の中身を、まずはワードでバーッと下書きメモのように書く。これが3時間ぐらい。普段、自分が取引先に提案する時の資料作りと同じ手順だ。これは人によってスタイルがあるだろうが、自分の場合はいきなりパワーポイントの資料にするとなんだか上手くいかない。思考が散らばって、最初から最後まで説得力のある資料にならないのだ。だから、まずはワードで、ゆるい状態でも構わないからとりあえず書いてみる

新しい仕事が来た際も、いつもそうだ。とりあえず5分で良いからワードに考えを書いておく。これだけで後の作業が随分違う。

この3時間で作ったワードのメモをもとに、きっと過去の自分と同じ悩みを抱えているであろう後輩に、ちょっと意見を聞いてみた。こういう講座をやろうと思うんだけど、需要あるかな?などと。これもいつもの本業の仕事と同じだ。まだ考えが完全にはまとまりきらない、でも何となくは見えている、ぐらいのタイミングで、その分野に詳しい人にちょっと意見を聞きに行く。これが意外と効く。

その後輩は、めちゃくちゃ需要ありますね、と言う。後輩だからこちらに気を遣っているのかもしれないが、本当に正直に言ってくれ、と念を押しながら、もっとこういうことがあったら良いんじゃないですかね、という示唆もしっかりもらえた。

帰宅して、パワーポイントの資料を3時間程度で作った。これが、約1時間程度の講座を想定した講義資料になる。

ここまではマーケティングで言えば商品開発にあたる。ただし、あくまでステップ1のための商品開発だから、雑なものではある。

実際、今回の商品開発にかけた時間は、下書き3時間ヒアリング1時間資料の清書3時間で、この3工程の合計は7時間。自分の集中力は大体連続3時間ぐらいしか持たないし、そもそも本業もあるから、それぞれの工程は別の日にやっている。つまり3日かかっているわけだが、その気になれば7時間の作業というのは、当然、1日の日中で終わるレベルである。とは言え、自分の多忙さを鑑みると、3日かけるというのは必然だった。

本来であれば、自分の商品を届けたい人、いわばターゲットのニーズというのはしっかり調査すべきところだ。企業ならお金をかけて調査するというのは充分にあり得る選択肢だが、こちとら、単なる個人の副業である。ここは、過去の自分をターゲットとすることで、自分に対してインタビューをしていることにし、また、先述の後輩へのインタビューで最低限とする。本当は、甚だ心細いニーズの探索ではあるが…。

と、言いつつ、甚だ心細いニーズの探索であるという自覚はあったので、先ほどの後輩に頼んで、想定している悩みを持っているであろう人を5人程度、集めてもらうことにした。そうすることで、自分の知り合いではない、初対面の人から、自分の商品に対する評価をもらおうという魂胆である。その後輩は優秀で、5人どころか、10人も集めてくれた。強い。

実際に値段をつけて売る前に、試供品的な感覚で、試してもらう。いわゆる体験版とか、パイロット版とでも言えるものだ。相変わらず自分は石橋をたたきすぎではないかと思うが、後から振り返るとこのフェーズをやっておくことで成功に大きく近づいたと言える。

本業の合間を縫って、週末の1時間で、10人を前に講義することになった。

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