8:コンテンツ販売のネット副業における失敗を前提としたマインド

いよいよ、ネット副業の構想に本腰を入れていく。まず最初に頭をよぎるのは、そもそもビジネスというのはそう簡単に成功するものではない、ということだ。これは実に当たり前の話なのだが、サラリーマンをやっていると、そのことをすぐに忘れてしまう

会社でサラリーマンとして仕事していれば、自分が失敗しそうになっても先輩が助けてくれたり、チームとして何とか成功に持っていこうとするだろう。自分ひとりでやっていたら失敗するものを、みんなの力で成功する確率を高めているのだ。こうして、失敗の確率というのは相対的に低くなっていることは確かだが、本質的に失敗の確率は高いのである、という普遍的な事実に向き合えなくなる。

もちろん、会社でもチームとして失敗することもある。恐ろしいのは、社内での評価を落としたくないという気持ちが勝り、その失敗を個人、あるいはチームとして軽く見せたり、なんなら失敗していないことに見せたりして評価会議に臨むパターンすら、珍しくないことだろう。だから、サラリーマンは失敗に慣れていないのではないか、と思う。もちろん、仕事における作業という観点では、個人的な失敗というのはいくらでもあるのだろうが、多くの場合、それは致命傷にはならないはずだ。致命傷に至るような失敗に、サラリーマンは、慣れていない

その頭で、冷静に過去のサラリーマンとしての自分の仕事を振り返れば、あぁ、実はあれは失敗だったな、あれも失敗だったな、という仕事がいくつか浮かぶ。取引先から感謝はされまくっているものの、取引先のビジネスが劇的に向上したかどうか。こればっかりは、単に景気が良かったから成功した、とか、そういう変数が多すぎて、自分の仕事のおかげで上手くいったのかどうかは判断が難しい。どうだろう。取引先が儲けたかどうかだけで言えば、自分の勝率は半々ぐらいなのだろうか。

この勝率は、取引先と新規事業を立ち上げる、みたいな話になってくるともっと下がる気がする。半々を下回る記憶だ。少なくとも、短期的にはほぼ失敗しているとすら言える。だけど、長期的に見れば、まぁ、成功だったな、と言える仕事も多い。成功するまで続ければ失敗ではない、とも言えるし、最初のうちは明確に失敗だった、とも言える。同じく、取引先の儲けに対する自分の仕事の影響力を純粋に判断することは容易ではない。

取引先が儲ける、というのは判断が難しいから、自社が儲かる、という意味ではどうだろう。非常に分かりやすいのはコンペである。コンペの勝率…。これも正直、の要素が大きい。そして、年によって全然違う。びっくりするぐらいに勝てて、全勝してめちゃくちゃ自分の評価が上がった年もあれば、ほぼ全敗して評価が爆下がりした年もある。一つ言えるのは、全勝するということは滅多に無い全部勝つというのはほとんど不可能。ならしてみると…やっぱり勝率は半々…それより少し高くて6割ぐらいかなと感じる。

ビジネスから離れて、我々が大活躍をよく知る大谷翔平イチローだって、調子が良くて3割~4割というところだ。世界トップクラスのプレイヤーでも全部は打てない。勝率がめちゃくちゃ高い分野とか、人とかっているのかな?お笑いとか?いやでもお笑いだって賞レースの顔ぶれは毎回違うわけで、優勝者も違うし、どんなに有名な人だって毎年勝てるわけではない。それに客の好みは絶対にあるから、笑い声の関係で全部ウケているように見えても、実際には全く笑っていない人もいるかもしれない。やっぱり全勝は無理だと思われる。そもそもビジネスとしてみれば、番組の視聴率が必ず良いかどうかと言えば多分そうじゃない音楽家は?ミスタッチしないピアニストはいるのだろうか。多分いない。満足度100%のオーケストラはあるんだろうか。満足度は100%かもしれないけど、そのコンサートが稼げる確率というのはやはり100%じゃない気がする。

ビジネスに戻って、ユニクロの柳井さんぐらいのレジェンドだって1勝9敗ということを言っている。とまぁ、いろいろ考えると、やっぱりそう簡単に勝つことは容易ではないと言えそうだ。恐らく、新規事業や、短期という視点で見ると、ほとんど負けが先行するのではないだろうか。

ネットを使った個人の副業ということを考えると、これは挑戦しようと考える個人にとっては間違いなく新規事業になる。本業の知見はもちろん使えるが、全く同じことは副業規定の観点からもできない新規事業ということで間違いない。かつ、一人で全てをやらなくてはいけないから、短期というよりは長期的な視野で取り組むべきと思う。

つまり、新規事業×長期、という考え方になるのだろう。これだけ見れば、長期的にやるわけだから最後には必ず成功するようにも見える。でも、短期的には負けが大幅に先行することが予想される。

ここまで考えて、短期的な負け、つまり失敗が先行することは前提とした上で、ネット副業のロードマップを検討することにした。なぜかネットビジネス、みたいな話を聞くと簡単に、それも必ず成功しそうな気がしてきてしまうのだが、まずはその謎の、全く根拠のない先入観を捨てることから始めてみた。自分に対する期待値は下げておくというのも、一つの手だと思っている。

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